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銀山湖荒行
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釣行日
2006年3月26日(日)
場所
滋賀県 西の湖
天候
くもり
微風
状況
水色:ステイン〜マッディ
釣果
46cm、約1,600g、45cm、約1,500g、40cm、約1,000g。3匹でのウェイト4,160g。あと一歩及ばず準優勝でした。
ルアー
ジャッカル社シャロークランクのみ

《NBC西の湖チャプター第2戦 当日》
シャロークランキングに賭けた修行僧、
奇跡のリミットメイク!!


3匹で4,160g、なんとか準優勝できました。

 3月26日(日)、NBC西の湖チャプター第2戦当日、天候はくもり。くもったことで、バスがストラクチャーから離れ、フラットウィードや浚渫ブレイクが爆発するのでは?との不安もありましたが、前日の異常な反応を示したバスにシャロークランキングパターンを確信していたため私の心に迷いはなく、宣言どおりスピニングタックルは自宅に置いてきました。ボートのデッキ上にはベイトタックルが5セットのみ。そのうち2セットはガイドにラインすら通っていない状態、残る3セットはシャロークランクが2セットにバイブレーションが1セット、これまでの「とってもライトリグな私」からは、到底考えられないようなセッティングでした。あとは「釣れますように、釣れますように…」と念じながらキャストをするのみです。さあ果たして結果は…。

 午前7:30ごろ、参加者38人がいっせいにスタート。前後のエレキ全開で、(西の湖チャプターはエレキ戦です)まず目指したのはもちろん、15番棚。今回はバスと出会う確率を高めることが全てであったため、他の選手とのバッティングを一番恐れていましたが、意外にも15番棚へ向かう選手は少なく、約10分後、なんとか狙いの15番棚北東角へ到着、そのまま棚の東面を釣り進もうとしましたが…。私のすぐ後に入ってきた選手が、私がこれから釣り進もうとしたまさにその前方に入りました。それだけならまだしも、あろうことか勢いあまってそのまま真珠棚へ激突!ああ、東面は終わった…。一応その選手に声をかけ、2〜3投だけしましたが、当然釣れるわけがなく、早々に見切って、まだ空いていた北面を流しました。

 絶望のあまり、ぼんやりしながらキャストを続け、北面のほぼ中ほどに差し掛かった時、「コッ」という、例の小さな感触が手許に伝わりました。突然の出来事に体が反応せず、そのままリーリングを続けると、まるで昨日の再現を見ているかのように、ジグザグに動きながら寄ってくるライン、そしてボート際で突然大暴れ!ここから先はもう、無我夢中、どうやってやりとりしたかは全く記憶に無く、気が付けばバスがネットに収まっていました。15番棚を狙い始めて、約10分後の出来事でした。ウェイトは約1,500g、

 この日は丸呑みではなく唇にフッキングしていました。前日のバスを思うと、その半分もないウェイトでしたが、トーナメントでは本当に、本当に、貴重なサイズ、あまりの感動に手足が震えて止まりませんでした。

「自分はこの感覚が、この一瞬が大好きでトーナメントを続けているんだ!やっぱりトーナメントは楽しい、やめられない!! 」

と、ひとりの世界にどっぷり浸っていた間に釣り人の数が増えてしまいました…。

 とは言っても、ワームでの釣りなら充分シェアできるほどの人数でしたが、ハードルアーをキャストし続けるにはどうも窮屈になってしまったので、まだ震えの残る手で2〜3投した後、東隣の5番棚へ向かいました。
 西面から東に向かって、真珠棚を時計回りにシャロークランクをキャストしながら釣り進みました。早い段階で1匹目をキープできたことで、この時点では「釣れますように」と心で念じながらも、キャストを続ける気持ちには、まだ余裕がありました。しかし…。あの大きな5番棚を一周しても、ついに何のバイトもありませんでした。これはヤバイ展開なのでは…。

 ふと15番棚に目をやると、朝一よりも若干人が減っていました。そこで再度15番棚へ向かってみました。到着すると、朝私が釣った後に入ってこられた選手がまだいらっしゃったので、状況を聞いてみると、「朝一でグッドサイズを獲られたので、ヤラレた、と思いましたが、その後ライトリグで2匹獲れましたよ」との話でとてもショックでした。「やはりワームでしか反応しないバスがいたのか。そう考えると、釣り残したバスもかなりいるのでは…」急に弱気になり、一応ボートには積んでいたワームに手が伸びかけましたが、この日の私の釣りのリズムは完全にハードベイトのリズム、いまさらソフトベイトのリズムに変えることはできなかったので、なんとか思いとどまりました。

 でも、この話から15番棚は、依然として魚影が濃いと確信が持てましたので、「15番棚をやり切る」という気持ちがさらに固まりました。ただ、そこはトーナメント、入れ替わり立ち替わり選手が入ってくるので、なかなか自分の思うように攻められませんでした。そこで、混雑すれば空いている5番棚へ移動し、また空けば15番棚へ戻る、こういったことを何度も繰り返し、15番棚へ何度も、何度も、入り直しました。ほとんどの選手がソフトベイト中心の釣りで、ハードベイトをキャストする選手が少なかったことが、私にとって唯一の救いでした。

 それにしても釣れない。ワームのようにバイトだけあって、乗らない、といったこともないので本当に気が遠くなりました。すでに、何度15番棚に入り直したかわからなくなり、ふと時計を見ると、午前11時、「このまま1匹だけで終わってしまうのかな」と弱気になりかけたとき、前日3キロオーバーをキャッチした東面の中ほどに差し掛かりました。すると、リーリング中のクランクが、腐ったウィードの塊に突っ込んでしまったかのように、「ヌーッ」と鈍く、そして重くなりました。がっかりして、リーリングを止めると、ラインが真珠棚とは反対の方向にスーッと走っていきました。

 これはもしや…。慎重にリーリングを始めると、やはりボート際まで寄ったところで強烈に暴れだしました。以降は、今となっては全く思い出せない無我夢中のやりとりがあり、気が付くとネットランディングに成功していました。デッキ上にネットごとバスを引き上げた瞬間、あまりの嬉しさに拳を握り締め、肩で息をしていました。

この感覚、最高です!やっぱりトーナメントは最高に楽しい!!

 バスのウェイトは約1,600g、これでなんとか3キロは越えましたが、西の湖のエキスパートが多数出場している西の湖チャプターで、この時期、このウェイトでは、勝てるかどうか、いやTOP5に入れるかどうかも微妙なウェイト、やっぱりあと1匹がどうしても欲しいところ。

 しかしこの1匹は、攻め尽くされた15番棚で、本当に絞り出すようにして釣った1匹。これ以上、この15番棚で追加するのはかなり厳しいように感じてはいましたが、他に勝負を賭けられるエリアが思い付かなかったため、心の中で何度も「釣れますように、釣れますように」と祈りながらキャストを続けました。しかしその祈りも虚しく、時間だけが刻々と過ぎていきました。帰着時間は12:30〜13:00まで。エレキ戦のため、時間に余裕をみて会場近くへ戻っておかなければなりません。 

 その考えは他の選手も同じでした。12:00を過ぎた頃から、トーナメントエリアから遠いエリアで釣りをしていた選手が続々と戻ってきたことで15番棚付近も混雑し始め、次第にルアーをキャストし辛くなってきました。ここで遂に移動を決意、後ろ髪を引かれるような思いで15番棚を離れました。15番棚、ありがとう。

 以降は、15番棚から会場のトムソーヤさんに向かって、西隣の3番棚から順に釣り進みました。ルアーはもちろんシャロークランク、ここまできたら、もはやスローな釣りはできません。自分の信じた釣りをやり切るのみです。

 真珠棚のシャロー側(南面)は朝からずっと混雑していたため、空いていたボディーウォーターに面する北面のみを釣り進みました。まず、3番棚では何も起こりませんでした。次に2番棚、ここも反応なし。そして運命の17番棚。それまでの真珠棚の水深は1.2m前後ばかりでしたが、17番棚は浚渫のブレイクが絡み、水深は約3m。「この水深で約1mしか潜らないシャロークランクでは、まず釣れないだろう」と思いながら1投、2投、やはり反応なし。時計を見ると12:30。ついに帰着受付の時間帯に突入しました。

 「やっぱりリミットメイクは無理か・・・」99%諦めた瞬間、ふとある考えが思い付きました。「これまで釣れていたのは全て1m前後の水深。この1mという水深に何かキーとなるものがあるのでは?たとえばサーモクラインとか。春先なので、当然、表層水温の方が高いハズ、その水温の変わり目が1mだとしたら・・・」。「リアクション+サーモクライン」そう考えた時、シャロークランクでこれまでバスを獲れていた理由が、なんとなくわかったような気がしました。もしかしたら、釣れるかも!

 今、この瞬間、この面を狙っているのは私一人だけ。急に集中力がよみがえり、次の3投目は真珠棚ギリギリのベストスポットへ、完璧にキャストが決まりました。慎重に慎重に、できるだけスローにリーリングし、少しでも長くストライクゾーンをトレースすることを意識しました。ルアーがボート際まできた時、一瞬、水中で「ギラリ」と光る魚影が見えました。次の瞬間、手許にあの「コッ」という感触が!!あとのやり取りは全く記憶になく、ふと我に返った時、ネットに入ったバスがデッキ上に横たわっていました。ついにやった、リミット達成!!! ウェイトは約1,000g、オス。先の2匹(2匹ともメスでした)と比較すると、体長の割にヤセていて、体色も悪く貧相なバスでしたが、本当に本当に、心の底から欲しかった3匹目のバス、これまでに感じたことない感動で心が満たされました。ここで再度時計を見ると12:40、もうこれ以上キャストを続ける気力は残っていなかったので、迷わず帰着へ向かいました。

 自分としては、まるで夢でも見ているかのような、最後の最後で絵に描いたようなリミットメイク、このことを体験できただけで、もう本当に最高の気分、結果は二の次!夢見心地でウェイインしたバスは、3匹で4,160gでした。

 そして表彰式。まず5位の方の名前がコールされましたが、トータルウェイトが発表されずヤキモキ。次に第4位。ここでやっとトータルウェイトが読み上げられ、2,860g、ヤッタ!3位以上は確実。そして3位の方は3,440g。そして次に呼ばれたのが私でした。優勝は4,440g、西の湖マスターの方でした。280g差だったので、インタビューの際「おしかったですね〜」と言ってもらえましたが、全力を出し尽くした結果だったので、私は全くそう感じませんでした。ウェイトだけみるとたいしたことはありませんが、今回のウェイトは、私にとってのMAXウェイト、全く余裕のなかった試合運び、綱渡りのような、本当にギリギリの神頼み的展開でした。

 また、今回はあらためて仲間の存在をありがたく感じました。的確なアドバイスをくださった杉田プロ、自信を持ってやり切れる魚影の濃いエリアの情報をくださった丹羽プロ、私が苦手とするハードベイトの可能性を、身をもって教えてくださった佐藤プロ、そして私の気持ちを奮い立たせてくれた奥伊勢湖宮川チャプターのみなさん、本当にありがとうございました。もし、私が一人だけで参加していたなら、こんなリスキーなパターンを押し切らず、とっくにライトリグに走っていたでしょう。優勝できなかったのは少し残念でしたが、そこは、私のような「にわか西の湖バサー」と「西の湖マスター」の歴然とした力量の差、当然の結果です。でも、次にチャンスが巡ってきた時には、必ずモノにしてみせますよ!それが私にできる唯一の恩返しだと思っています。

奥伊勢湖宮川チャプターでお世話になっているみなさんです。


丹羽プロ 1,080g 15位


(左)佐藤プロ 12位 (右)杉田プロ 14位


(左から)田中さん、増本さん、森さん

みなさん、これからも切磋琢磨な関係で宜しくお願い致します!!

これからも「優勝」を目指して、修行僧の旅は続きます!!!

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