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横山的・黒鱒釣競技生活
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釣行日
2008年10月31日(金)〜11月2日(日)
場所
福島県 檜原湖
天候
初日:曇り 2日目:曇り 3日目:曇り
初日:南風 2日目:南風 3日目:無風
水温
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釣果
初日 5本 3264g 6位
2日目 3本 1522g 41位
最終日 4本 3955g1位 総合第8位
ルアー
レインズ・スワンプジュニア(1/42oz ネコリグ)、バークレイ・パワーホッグ テキサスリグ

動かざること山のごとし、そして
  …TOP50最終戦 福岡県・遠賀川

 2008年度のTOP50シリーズ、最終戦の舞台は福岡県・遠賀川。自分にとって全く初めてのフィールドで、九州で釣りをするのも初めてです。そして第1戦の旧吉野川に続いての「川」での試合。初めての川での試合となったその旧吉野川戦では39位と痛い洗礼を味わうことになり、若干の苦手意識が残りました。こういう場合は練習あるのみ!ということで、10日間のプリプラ日程を組みました。国道2号線をひた走り関門トンネルを抜け、やってきた最終戦の舞台・遠賀川は…。

 ほぼ全面垂直護岸、思っていたよりまっすぐで単調な感じです。が、ボートを出し魚探掛けを開始すると単調な見た目とは裏腹でボトムはかなり複雑です。河口堰ができる前の旧護岸跡の石積み、ハードボトムのハンプ、そして各橋脚付近に沈む正体不明の沈下物などなどストラクチャーはテンコ盛りで、最近インビジブルマニア?になりつつある私にはたまらない、調べ甲斐のあるフィールドです。

 エリア最上流の新日鉄堰です。滝のように落ちる流れの中にはフィーディングスポットになりそうなハンプが点在。プリプラ前半ではこのハンプに廻ってくるバスをネコリグで狙うことで5本で4キロ台のパターンを発見。

 単調な垂直護岸にもバスは付いています。延々続く護岸を数キロにわたって黙々とテキサスリグを撃っていくと意外にも?ポロポロ釣れて、しかもグッドサイズ!プリプラで掴んだパターンとしてはこれが最も手堅く感じました。

 3m以深のハンプエリアではディープクランクが炸裂!で一時入れ喰い状態に。キーはベイトとなるハスの動き。移動の速いハスを素早く見つけることがクランクパターンを成立させる課題になりました。

 そして「不動のストラクチャー」の橋脚もチェックです。スタート地点からすぐ下流のこの「筑豊本線橋脚」が試合本戦でまさかのドラマを生むことに…。

 日に日に秋めく空と同じく、パターンの移り変わりを肌で感じつつ充実のプリプラが終了です。今回の結果次第では最後のTOP50戦になることも考え、この遠賀川での釣りを思いっきり楽しみました♪

 プリプラからの帰りの道中、そして本戦に向かう道中には島根県の出雲大社に祈願成就のお参りに。「困ったときの神頼み」、しかしこういったことが一種の安心感を生み、メンタル面でもプラスに働いて必ず良い結果に結びつくと信じています。


 さあ、いよいよTOP50最終戦・遠賀川のスタートです。

 本戦直前のプラでは、最上流のパターンが難しくなり、垂直護岸のパターンもちょっと低調…。残った中流域の水中護岸跡3mの張り出しのピンスポットでは時間を変えて入るたびに800〜1キロフィッシュが獲れたことから、ここに廻ってくる回遊系のバスにすべてを賭けることに決めました。

 ですが、なぜか最初に入ったのはスタート地点すぐ下流の筑豊本線下流側のテトラ群。ビッグフィッシュの確率の高かったこのテトラを、ちょっとだけテキサスリグで撃つつもりだったのですが…エレキを降ろし、ペダルを踏んだ途端いきなりワイヤーはずれのトラブル!急いで工具を取り出し直して、テトラを撃ち出します。

 が、数投でやめてエレキを上げ下流に移動。ワイヤートラブルがあったことで、「ここではいま、釣りをするな!」と言われているような気がしたからです。

 そして当初の目的どおり中流域3mラインにある沖のピンスポット、水中護岸張り出しに到着。幸い先行者はいないのでプリプラでのディープクランクに代わって直前プラで反応の良くなっていたスワンプジュニアのネコリグでアプローチを開始しました。

 ファーストキャスト、そしてセカンドキャストでなんと2投連続で600gクラスをキャッチ!幸先良過ぎ、やっぱり移動して正解でした。バイトは2回で終了、ですがこのピンをひたすらネコリグで撃ち続けます。これはプラで感じたことですが、遠賀川のバスは2匹単位で行動していることが多いようで、同じスポットから2匹連続で釣れたそのあとは2時間ほどノーバイト。ずっとその場所でやっているとまた2匹連続で釣れることがほとんどだったからです。

 ノーバイトのままこのピンスポットで粘っていると、約2時間後にまた2本連続でキャッチ! しかも1匹は900gクラスのグッドサイズです。4本キャッチしてリミットメイクまであと1本。余裕が出て他を廻ろうか、とも思いましたが、2時間後の連続バイトを期待してこのピンで最後までやり切ることにしました。

 沖を見ると引っ切りなしに行きかう他の選手のボート。しかし、低馬力の自分のボートの機動力を考えると移動に時間を食うより、丁寧にこのピンをくまなく探り、回遊バスが廻ってきたチャンスを逃さないことが自分にとって最善の策と信じて2時間後の次のチャンスを待ちます。

 そして…2時間後、計ったように2匹連続ヒット!グッドサイズも混ざり一気に入れ替えにも成功!! 結局この日はこのワンスポットのみで6本キャッチの1本入れ替え、トータルウェイト3264gで初日・第6位からの今期最高のスタートです。


 11月1日、試合2日目。この日もプランは同じ、「中流域のピンで2時間に2匹のバイトを待つ」というものです。

 やや離れた場所に他の選手がいたのですが問題無い距離で、釣っている場所も自分のピンとは違うので昨日のピンで釣りを開始しました。約30分後、700gクラスを1本キャッチ。初日6位ということで釣りビジョンのカメラも張り付いてくれています。

 そして2時間後、2本キャッチ。そのあとは自分の戦略ミスから次の魚のバイトを取ることが出来ずに、この日は3本のみのキャッチ。1522gで41位と5ポイントのみに終わってしまいました。

 2日間終わっての暫定順位は前日の6位から大きく落として23位。なんとか予選を突破でき、最終日の決勝に進むことが出来ました。そして、最終戦2日目までの順位が反映された年間の暫定ランキングもこの日発表され、私の暫定年間ランキングはこれも23位…残留危機からはひとまず脱出、翌日の最終日は思いっきりやるだけと思っていたのですが、そうもいかない別の問題も発生してしまいました。そのことでモヤモヤした眠れない決勝前夜を過ごしてしまいました…。


 11月2日、TOP50最終戦・最終日。2008年のすべてをこの為に注ぎ込んできたTOP50シリーズの年間ランキングが、泣いても笑ってもこの日で決定されてしまいます。自分ができることは決まっている、それをひたすら信じてやり続けるだけと気合いを入れてスタートです。

 23番フライトで中流のピンへ向かいますが、先行者あり。見える範囲の別のピンに入り、30分ほど経ち先行者が移動したタイミングで昨日までのピンに入ります。やることは3日間一緒、場所も3日間一緒、「動かざること、山のごとし」です。

 時間は掛かりますが、あせらず、1本、また1本とキーパーサイズを追加していきます。2本目のキーパーサイズキャッチから2時間半、くるはずのバイトが無くなりました。

 ついに回遊バスの資源が尽きたか…いまが動くタイミング!と感じ、ためらいなくシャローの垂直護岸に移動。ベイトタックルに持ち替え、上流に向かってひたすら「壁」をテキサスリグで撃ち続けます。プリプラでバスが釣れた「壁」の場所はすべてGPSに入力済み、それを元に壁撃ちを続けていると…きたっ!!  一気に抜き上げ、800gクラスをキャッチ!! 3本の推定ウェイトは約1800g、もうほとんど時間は残っていなかったのでウェイイン会場に戻ることにしました。

 スローエリアを過ぎ、会場のギャラリーの賑わいが見える位置に。筑豊本線の橋脚を過ぎ、さらに上流のスポットに最後のひと粘りをするつもりだったのですが、「あっ、ちょっとここもやっていこう…」と思って、Uターン

 入ったのは筑豊本線橋脚の少し上流の約3mラインにある小ハンプ。おそらく粗大ゴミか自転車かなんかが沈んでいるような、入れた瞬間根掛かる謎のストラクチャーです。そこではプラで入るたびにバスが釣れていたのですが、サイズが小さかったので本戦ではパスしていた場所です。

 ネコリグをワームは変えずに強めのガードが付いたもの、タックルもやや強めのスピニングタックルに持ち替え、なんとなくといった感じでそのピンスポットにポイッ!と放りこみました。グッと重くなり「あっ、根掛かった」と思いましたが、いきなりその根掛かりが動き出しました。無意識にフッキング、そしてその魚を謎のストラクチャーから引き離します。

 やたらと突っ込むその魚。「こりゃ絶対コイやわ〜」と思っていたら、水面に現れた姿を見て凍り付きました…バス、それもプラでは1回も見れなかったビッグバスです!ファイト中、真横を通り過ぎる帰着に向かう選手のボート。そして岸辺にはギャラリーの人達…トルクフルな突っ込みをいつもの逆転ストッパーオフでかわしながら、もう1度浮かしてようやくネットイン!! …めちゃくちゃデカい…やった!! 推定55cmオーバー。帰着締め切り7分前、ありえないラストキャストでのドラマに興奮し、ちょっと困惑(!?)しながらも急いで帰着に向かいました。

 興奮冷めやらないまま3匹のバス、そして最後のビッグバスをウエインバッグに移してウエイン。ステージの壇上に呼ばれて、ビッグバスを掲げます。

 2076g、今大会のビッグフィッシュ賞を獲得!! 同時に3955gで最終日のトップウェイトも獲得しました!! 最終日の会場はギャラリーの方々も一杯、超・緊張しましたが最高の気分でした。

 表彰式では順位の発表。前日の23位から大幅に順位を上げての8位入賞です!

 そして今回の優勝は庄司潤プロ!! 苦労が報われた涙が印象的な、感動の表彰式でした。準優勝は星野和正くん。実はNBCジュニアからの同期でもあり、同い年の友人でもあります(TOP50では大先輩なんですが…)。今回はロック帯での関東流カバーフィネスで九州のバスを攻略、今期2度目の表彰台獲得です。

 年間順位の発表、年間1位・ワールドチャンピオンは青木大介プロ!2位以下を大きく離しての栄冠です。私の年間ランキングは大きく上がって16位、昨年の20位からアップです!

 最後の最後でまさかの奇跡、最高の締めくくりで2008年度のトーナメントトレイルも終了いたしました。これも各地で応援していただいた皆さんのおかげで最後まで集中力を切らさずに頑張ることが出来たためと思っています。

 そして、JBエリート5の投票を私にしていただいた近畿一円のチャプターの皆さん、マスターズのトーナメント仲間の皆さん、檜原湖の皆さん、今回の遠賀川で知り合った皆さん、地元京都のチーム魚の皆さん、このフィッシングレポートを読んでいただいている皆さん、本当に本当にありがとうございます。エリート5選出は叶いませんでしたが、皆さんのおかげで2009年の今シーズンもTOP50で戦うことができます。

 2009年度ゼッケンNoは12番。今シーズンも人一倍の練習量を武器に、少しずつ確実に実力を付けていきます。今回のビッグフィッシュももちろん大事でしたが、思い出せば第1戦の旧吉野川戦の2日目、キーパーぎりぎりのバスを1本ウェイイン出来、39位・12ポイントに踏み止まれたことで年間ランキング20位以内のジャパンスーパーバスクラシック出場権を3年連続で獲得することができました。

 ビッグバスも小さなキーパーも同じくらい大切な1匹、そういうことを念頭に置き試合の一日一日を大事に戦いたいです。3日間、浮き沈みの激しい順位を安定させることがいま一番の課題ですね。私に関わるすべての人達に感謝し、自分の限界に挑戦するために2009年も頑張ります!

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