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くろますなヒト
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「策を練る」【1998年】

98年3月〜4月のバス
タックルセレクト3月〜4月

ベビーシャッド75でキャッチした48cm

 昨年の暮れまでは暖冬と言っていたのが、今年に入ってから急に冷え込み、お世辞でも暖冬なんて言えなくなってしまった。ちなみに今後の気象予測では、今年は春の訪れが早いと聞いているが、本当だろうか…。

 さて、そんなことを言っていても何も始まらないので、この号が発売される3月から4月にかけての基本的なシーズナルパターンをもとに、その攻略法の解説をしていこう。また今回は、普段雑誌などに書かれないようなことも加えていくので、ちょっとだけ得した気分で読んでもらいたい。

 例年、3月に入った時点での水温は池で8〜9度、湖(ここでは琵琶湖を例にとる)で7度〜8度といったところだろう。

 秋の終盤から冬にかけて、水温が比較的安定している深場にいたバスたちは、スポーニングを行なうために徐々にシャローに動き出す。ここで言うシャローとは、当然スポーニングに適したシャローのことだ。バスは、スポーニングを行なうために、底質が固い砂利や岩などが存在するところで、かつ水の流れが弱いところ(ワンドなど)を選ぶ。そして水温のあたたまりやすい北よりのシャローからスポーニングが始まる。

 話は少しそれるが、私たちの一番身近なバスレイクである入鹿池では、底質が岩ばかりのところでもフラットな面さえあればそこでスポーニングを行うこともある。これは入鹿池がとても水量の増減の激しいことが理由であろう。特にこのレイクは、そういったことから状況によってスポーニングを失敗することも多い。かわいそうなことである。今後もバスの臨機応変な行動にまかせるほかないのだろうか。

 さてバスの具体的な動きを解説していこう。

 3月になり春らしい日が続くと、その幕開けとも言える状況の一つに、シャローから少し沖(約1.5〜2m)の範囲内でスピナーベイトやバイブレーション、ジグヘッドにガンガンヒットしてくることがある。この時ヒットするバスは大抵ビッグなことが多い。これは、初春特有の状況で、冬の間じっと深場などで補食を控えていたバスの爆発的な荒喰いだと考えられる。

 しかしこの状況がやってくるのは時期的にまちまちで、はっきりといつからとは言い難い。しかし私は水温が7度以上で、日中暖かく感じる日が多くなってきた時期を一つの目安にしていることをここに書いておこう。

 バスは補食をある程度すますと、シャローにより近い深場に潜み、徐々にシャローにむかうのだが、いきなりではない。まずバスはシャローに一番近い変化(ブレイクなど)のある深場(琵琶湖では3mから4mに多い)に一時的に止まる。ここで水温の上昇を待つのである。しかし、冷え込むとディープへ戻ったりして、行ったり来たりが続く。そういった行動を繰り返しながら、バスは徐々にシャローに向かうのである。

 ポイントを知る方法はボートからなら魚探の使用が一番だが、岸からだとそれは出来ない。そんな場合は、重めのテキサスやキャロライナでズルズル引いて底の変化を探そう。そのためにはまずスポーニングエリアを探す、または情報を周りから聞いてそれを知ること。そうすればポイントは随分探しやすくなるはずだ。

 そしてポイントを発見したとする。その時一番活躍するのがサスペンドミノーである。威嚇しながらバスの攻撃心を誘い体当たりさせるようなイメージでの使い方が最も望ましい。

 具体的には、

1.まずキャスト(キャスト方向は、バスのいるであろう水深に平行沿うこと)したあとロッドを横に寝かせる。

2.そしてロッドティップにルアーのアクションが感じるくらいのゆっくりとしたスピードで、自分の手の位置を軸にしながらロッドティップで扇(90度くらい)を描く。

3.そのあと引くのをやめてルアーを水中で静止(サスペンド)させながら、ラインを張りつつラインを巻きとり、ティップをもとの位置へ戻していく。そして2.から3.の、繰り返しである(イラスト参照)。

 この時のアタリは、コツッといった小さなものやグイーッとルアーを持っていかれるようなことなどさまざまである。ここにいるバスは基本的に食い気がない(というかバスの頭の中はスポーニングのことでいっぱいなのだ)のでルアーを食べにきているのではなく、体当たりすることがほとんどだからだ。したがってアタリを確実にとれる即アワセが必要である。

 ルアーは確実にサスペンドするものが絶対である。浮いてきてしまうものは、バスに威嚇出来ない(威嚇しながらルアーが浮いていってしまったら、何か変でしょ?)。加えて、ルアーのヘッドがサスペンド時に前に傾くものが良い。威嚇のアピール度がさらに増す。

 そしてバスは徐々にシャローに近付くのだが、実はここでバスを的確に狙うための重要な要素がもう一つある。さきほどシャローへ行く前に、バスはシャローに一番近い深場につくと解説したが、もしそこにストラクチャーがあったらどうだろう?

 バスの基本習性から言って、間違いなくそれにつくのは明らかである。その場所(コンタクトポイントという)さえ見つければ、さらに的確な釣りが可能だ。バスはそういったところを伝うかのようにシャローへ上がってくるのである。

 バス(特にメスバス)はこういったところにたまりやすいので、探してみる価値は十分ある。またストラクチャー以外にもウイードの固まりも同様なことがいえるので頭に入れておこう。

 例に挙げておくと、琵琶湖では代表的なものとして、赤野井のテトラ、名鉄の導水管などである。

 ルアーは、ワームが一番だろう。そしてバスがいるであろうその地点にルアーをキャストし、シンカーを動かさないようにルアーをシェイクしながら威嚇していこう。時折ストップも入れてみるのも有効である。またこのときのバスはアタックではなく、口にくわえてくる(しかしアタリは非常に小さい)のでフッキングは即アワセである。

 そして私は「春、バスはシャローに向かう=水温の上昇」をキーにして、サスペンドを意識し、ワーミングすることが多い。水温が上がったとき、確実にバスは浮いてくる。よってダウンショットリグのシェイキングが中心となることが多い。

 さて、4月になると水温も上昇し3m〜4mにいたバスも2mくらいまで上がってきているだろう。オスバスはシャローでスポーニングベッドをつくり、ベッドに近付いてくるメスバスを待つようになる。

 このころになると、バスはシャローでスピナーベイトやミノーに果敢にバイトしてくるようになる。ミノーはアシ周りをトゥイッチ、スピナーベイトはなるべく岸近くまでキャストし、ヘビーカバーをリトリーブして広範囲を探っていく。

 しかし釣れるのはオスがほとんどで、メスのバイトは無に近い。もしメスを狙うのであれば、2mくらいまで上がってきたバスのいる水深もしくはストラクチャー(コンタクトポイント)をバイブレーションやクランクベイトなどで探ればバイトが得られるだろう。コンタクトポイントさえ定まっていれば、ワームもOKだ。

 以上、こうした過程でバスは行動し、水温が10度を超えたぐらい(時期的には4月中旬くらいが目安)になると、バスにとって一年で最も大きなイベントとなるスポーニングが始まる。

 ここで予備知識を一つ。以前、知人に『バスは一回しか産卵しないのか?』と聞かれたことがある。さて、みなさんはどう答えるだろうか?

 実はビッグバスほど産卵の回数が複数に及ぶ、が答えである。体力のあるビッグバスは、春を感じるとすぐに補食活動を始め、シャローにうろつくようになる。そして早いスポーニングを迎える。しかし産卵後、ディープで十分体力を回復させるとふたたびスポーニングベッドへ向かう行動に出るのである。実際、私はすでにビッグバスが産卵を終えただろうと考えていた時期に何度か釣れたことがある。つまりビッグバスはたくさんの卵を持ち、それを複数のオスバスとともにスポーニングを行うことで、これから生まれてくる子供たちの生存率を本能的に高めようとしているのだろうと考えられる。

 では最後におまけとして、今流行りの漁港で、打ち勝つためのコツを少しだけ解説しておこう。

 3月になっても、実際のところ本格的に暖かくなるまでにはもう少しかかるのだが、人間と違い、バスは季節(水温)に対して非常に敏感な生き物である。しかし春が来たと感じつつも「まだ寒いじゃんかよー!」と言いながら、ぐずぐずしているビッグなバスもいるのである。漁港はまだしばらく良い釣りが期待出来るだろう。

 まず、皆さん周知の通りだと思うが、フィッシングプレッシャーは異常に高い。そのような時期はツネキチなどのワーミングとスモールプラグをうまく使い分ける必要がある。

 ところで、フィールドに行くと一日中ツネキチに固執しているアングラーがいたりする。以前にツネキチで良い思いをしたのだろうか。しかし、それでは今後も良い釣果を得られるとは限らない。バスはロボットではなく生き物だ。その日その状況で動きは変わることを忘れないで欲しい。

 では、実践風に狙い方を解説していこう。仮に今日はよく自分がバスをキャッチしていたストラクチャーをツネキチで狙ってみたら釣れなかったとする。もしここでアタリがあるとするならば、バスのいる層とワームの通る層がずれている、もしくは単純に食いが渋いだけなのかもしれない。

 そんな時、前者の場合はフックとリーダーの長さを変えてみる。後者の場合は、ワームをチェンジしてみたり、サイズをダウンさせてみたり、サスペンドシャッドでトゥイッチし、リアクションバイトを狙ってみる。これでだめだったら、自分の技術・経験が足りないということで別のポイントへ移動だ。バスがいても絶対に釣れるわけではないので、こだわりすぎは禁物だ(ちなみに私は、こだわり過ぎてトーナメントでよくコケるので、この大切さは痛いほどよ〜く知っている)。

 さてストラクチャー以外に代表されるのはウイードである。ここで私が考えることは、ウイードはたくさんの酸素が得られる大きなストラクチャーだと認識してしまうことである。ここではまずサスペンドプラグでウイードのツラを通すつもりでトゥイッチしてみよう。ベイトだと思ってウイードの中から突進してくる食い気のあるバスを釣ってしまうのだ。しかし、この時はどちらかというと突進してくるバスが多く、即アワセのフッキングが重要になる。そしてバイトがなくなったら、ワームで底や中層を、じっくり狙っていこう。

 そしてポイントを回るコツとして、周りのアングラーと違うところから順に攻めていくとプレッシャーが低いこともあり、好結果が出やすい。例えば、周りは岸よりのストラクチャーなどを狙っていたとするならば、自分はウイードのある沖から(つまり漁港の中心)、といった具合にである。ちなみにワームのカラーは、基本的にそのフィールドの水の色により近いものが望ましい。

 また今回のタックルセレクトは、ビギナー向けに漁港攻略バージョンを用意したので是非参考にして欲しい。まあ巷で言うセコ釣りなのだが、3ケタ釣りをした実績十分のものばかりである。

 最後になるが、相変わらずフィールドにはゴミが沢山落ちている。気付いた人は是非ゴミ拾いに協力してほしい。一人一人のそんな気持ちが増えてきてこそ、フィールドは守られていくのである。では良い釣りを。
(JBマスターズプロ)

タックルセレクト3月〜4月

☆ジグヘッドリグ
ロッド…エバーグリーン/コンバットスティック・「スキッパー」5.8ft
リール…ダイワ/エンブレムZ2000iT
ライン…サンライン/FCスナイパー バイトマーカーシステム5lb
ルアー…クリンクルカッツ(ジグヘッド)、スタッド(ジグヘッド)、
    ※1/16ozジグヘッドがメイン

☆ロングビル サスペンドミノー
ロッド…エバーグリーン コンバットスティック・
    「レーザーセイバー」6ft
リール…ABUキングフィッシャー2000
ライン…サンラインFCスナイパー バイトマーカーシステム10lb
ルアー…ステイシー、TDロングビルミノー

☆スピナーベイト、バイブレーション
ロッド…エバーグリーン コンバットスティック・
    「レーザーセイバー」6ft
リール…ABUキングフィッシャー2000
ライン…サンラインFCスナイパー バイトマーカーシステム10lb
ルアー…スーパーデルタフォース、TDバイブレーション、
    ティムコ スラッシュペッパー

☆ダウンショット
ロッド…エバーグリーン コンバットスティックインスパイア・
    「スーパースピットファイアー」6.4ft
リール…ダイワ/エンブレムZ1500iT
ライン…サンラインFCスナイパー バイトマーカーシステム5lb
ルアー…ゲーリーヤマモトカットテイルワーム、クリンクルカッツ、
    スタッド、スライダーワーム

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